【Underwater: Log】嫌われ者の緑の海、サメサンの楽しみ方|2026年6月20日

緑に染まったサメサンの海で、リールを手に安全停止をするダイバー タイ東部:ラヨーン、パタヤ、サメサンとチャーン島など
嫌われ者の緑の海、サメサン。その緑とどう付き合い、どう楽しむのか。週末弾丸ダイビング初日の記録です。(DJI OSMO ACTION 6)

先週末も、サメサン沖で2日間の週末弾丸ダイビングを楽しんできました。今回はその初日のお話です。

正直に言ってしまうと、サメサンは「行くだけ時間とお金の無駄」とまで言われてしまうことのある海です。透明度は悪く、浮遊物は元気いっぱい。透き通った青い海を求めるダイバーを、片っ端から寄せ付けない強力なパワーを持っています。

それでも、そのパワーに魅了されてしまう者が、少しだけいます。サメサン中毒、サメサン・ジャンキー。僕も、すっかりその一人になってしまいました。

なぜ、わざわざ濁った緑の海に通うのか。今回は、写真好きの僕がこの海をどう楽しんでいるのか、その種明かしのような記事にしてみたいなと思っています。

この日のボートは、今年の改修を終えたばかりのThe Shark号。乗るのは改修後はこれが初めてです。ショップはいつものDrink Masterの仲間たち。朝の空は曇り。雨が降りませんように、と祈りながら沖へ向かいました。

The Shark号の甲板の手すり越しに望むサメサン沖の島々と曇り空
改修を終えたThe Shark号からのサメサン沖。(LEICA D-LUX 8)

嫌われ者の緑を、まず全力で受け止める

まずは、その嫌われ者を真正面から受け止めてみます。緑の水と、舞い続ける浮遊物。これがサメサンの、お世辞にも綺麗とは言えない緑の世界です。

透明度が低く浮遊物の多い、緑がかったサメサン沖の水中の様子
RAW現像で復元した、サメサン名物の緑の海。(DJI OSMO ACTION 6)

最近のカメラはとても気が利くので、放っておくとこの緑を爽やかな青へと直してくれます。でも、それをやってしまうと、サメサンがサメサンでなくなってしまう。だから僕は、RAWで撮って、現像でわざわざこの濃い緑を呼び戻します。透明度の悪い海が好きな人なんて、たぶんほとんどいません。それでも、この緑こそがサメサンなのです。水中のワイドは、すべてDJI OSMO ACTION 6で撮っています。

緑に全身を浸して受け止めるのがワイドの楽しみなら、センチャーンでの安全停止のひとときさえ、絵になってくれます。

緑色のサメサンの海で、リールを手に安全停止をするダイバー
センチャーンでの安全停止中のケンさん。(DJI OSMO ACTION 6)

サメサンには、沈船も眠っています。船体もロープも緑の世界に溶け込んで、サメサンらしい、少し物憂げな雰囲気でした。

緑色の海の中、沈船T94.95の船体に沿って進むダイバー
沈船T94.95に沿って進むケンさん。(DJI OSMO ACTION 6)

その沈船に、魚たちがびっしりと群れます。浮遊物と緑の水。普通なら避けたい条件のはずなのに、合わさってみると、ゾンビ映画のような不思議と素敵な一枚を描いてくれました。

沈船の構造物に群れるクロリボンスズメダイと緑色の海中
沈船に群れるクロリボンスズメダイ。(DJI OSMO ACTION 6)

マクロで、良いところだけを切り抜く

海を丸ごと受け止めるワイドとは逆に、良いところだけをそっと切り抜くマクロの楽しみもあります。ここからは、Sony α1 IIのマクロの世界へ。

この日はどういうわけか、ヒレを広げ、口を開けて、やる気満々でアピールしてくる子が多かったです。

砂地の巣穴の前で胸びれを広げ口を開けるムラサメハゼ
ヒレを広げ口を開けてアピールするムラサメハゼ。(Sony α1 II)

緑に覆われた海の中でも、ソフトコーラルはこんなに綺麗。サメサンの海が、まるごと汚いわけではないのです。ちゃぶ台にも満たないほどの小さな一画でも、綺麗な珊瑚を見つけたら、何かいないかとじっくり覗き込みます。

紫色のソフトコーラルに乗る小さなギンポの仲間
紫色のソフトコーラルに乗るギンポの仲間。(Sony α1 II)

緑の水から逃げる、いくつかの工夫

被写体にできるだけ近づくこと。これも、緑の水から逃げるための大切な工夫です。間の水が多いほど緑は濃くなるので、とにかく距離をつめる。そして、ライトやストロボでそっと光を添えてあげる。それだけで、ずいぶん表情が変わります。

紫色のミノを広げたムカデミノウミウシ
ムカデミノウミウシ(Pteraeolidia semperi)。(Sony α1 II)

船上は、緑とは別世界

ひと潜りを終えて船上に上がると、そこはまるで別世界でした。あの緑が嘘のように、頭上には綺麗な青空が広がっています。

ダイビング器材越しに見る、青空の下に停泊するダイビングボートと島影
船上に上がれば、緑の水中とは別世界の青空が広がっていました。(LEICA D-LUX 8)

ダイバーを入れた一枚も、この日のいい思い出になりました。

ダイビングボートの後部プラットフォームからエキジットするダイバーとサポートするスタッフ
ダイバーを入れた一枚も、この日の良い思い出になりました。(LEICA D-LUX 8)

この船上の写真、実はDJI OSMO ACTION 6の静止画なのですが、アクションカムとは思えない写りで、自分でも驚きました。

ダイビングボートの後部デッキで器材を扱うクルーやエキジット後のダイバーたち
DJI OSMO ACTION 6での静止画。アクションカムとは思えない写りでした。(DJI OSMO ACTION 6)

船の上のお楽しみ、ランチタイム

お昼は、船の上でタイ料理のブッフェ。こういう何気ないシーンでは、スマホのカメラもしっかり役立ってくれます。

ダイビングボートの船上に並ぶタイ料理のブッフェ
ランチはタイ料理のブッフェ。スマホのカメラもこういうシーンでは役立ちます。(iPhone 17 Pro Max)

よそった僕のお皿はこんな感じ。レンズ一体型のコンパクトなカメラなのに、いかにもライカ、という写りをしてくれます。これはさすがに、スマホでは難しいかなと思っています。

木のテーブルに置かれた、ご飯とおかずが盛られたランチのプレート
僕のランチ。レンズ一体型のコンデジですが、いかにもライカらしい写りで、これはスマホでは難しいかなと思っています。(LEICA D-LUX 8)

午後の海で出会った、小さな住人たち

午後の海へ戻ります。ロンナン島で出会ったウミウシは、あえてふんわりと撮って、この子の可愛らしさを引き出してみました。

砂地の上を進む、オレンジと白の入ったミノウミウシの仲間
ロンナン島で出会ったウミウシの仲間。ふんわりと撮ってみました。(Sony α1 II)

岩穴の暗がりに潜んでいるのは、サメサンのアイドル、Orange Reefgoby。穴の中は浮遊物が少ないことが多いので、撮りやすい場所でもあります。明かりが苦手な根暗さんで、ライトを当てると奥へ引っ込んでしまうのですが、ストロボの一瞬の光には、不思議と嫌がる素振りを見せませんでした。

岩穴の暗がりにいる、オレンジに白い縞模様のオレンジリーフゴビー
サメサンのアイドル、Orange Reefgoby(Priolepis nuchifasciata)。岩穴や隙間の暗闇に潜んでいます。(Sony α1 II)

ヒブサミノウミウシは、ずいぶん狭い隙間にいて、光を届けるのに本当に苦労しました。思い切って白飛びするくらい明るく、絞りも開き気味にして、背景に舞う浮遊物を、そのまま模様にしてみました。

黄色と白の突起に青黒のドットが並ぶカラフルなヒブサミノウミウシ
ヒブサミノウミウシ(Caloria indica)。狭い隙間にいて、光当てに苦労しました。(Sony α1 II)

透明なエビの仲間。背景には、まだサメサンの緑がうっすら残っています。どうしても気になるときは、Lightroomの現像で色を整えて、緑を薄めるという手もあります。

岩の上にいる、青紫のラインが入った脚を持つ2匹の透明なエビ
透明なエビの仲間。背景にはサメサンの緑がまだ残っています。(Sony α1 II)

このミナミコモンウミウシのように、ぐっと近づいて背景に水を入れなければ、そもそも緑は写り込みません。

白い体に黄色い斑点と縁の紫斑があるミナミコモンウミウシ
ミナミコモンウミウシ(Goniobranchus cf. variatus)。近づいて背景に水を入れなければ、緑にはなりません。(Sony α1 II)

同定はこれからですが、こちらもウミウシ。透き通るような赤が、なんとも綺麗でした。

透き通った赤い体にオレンジの触角を持つウミウシの仲間
こちらもウミウシの仲間。同定はこれからですが、透き通った赤がとても綺麗でした。(Sony α1 II)

そして、サメサン最大の楽しみへ

すべてのダイビングを終えたら、お待ちかねの宴会タイム。これこそがサメサン最大の楽しみかもしれない、と思うことすらあります。

夕暮れに電飾が灯るサメサンのローカル食堂
ダイビングを終えての宴会タイム。これがサメサン最大の楽しみかもしれません。(LEICA D-LUX 8)

地元で人気のお店なので、味は折り紙つきです。

青いテーブルに並ぶタイ料理の皿。揚げた魚と香味野菜の和え物など
地元の人気店なので、味は保証つきです。(LEICA D-LUX 8)

濁った緑の海も、抜けるような青空も、船の上でのひとときも、そして仲間と囲むおいしい料理も。サメサンは、海の中だけがすべてではありません。船上も、地上も、全部ひっくるめて素晴らしい。だからこそ、何度でも通いたくなるのだと思います。今回も、最高の週末の初日になりました。

タイのローカル食堂で料理を囲み笑顔で過ごすダイビング後の宴会
サメサンで過ごす、楽しい週末の初日でした。(iPhone 17 Pro Max)

サメサン沖のダイビング。透明度は悪く、流れが激流になることもあります。浮遊物は吹雪のようで、一番印象に残る生き物がガンガゼ、なんてことも。

確かに、劣悪な環境かもしれません。それでも、バンコクから日帰りできる距離で、一泊すればもっと幸せで、こんなにも楽しめる場所なのです。週末で、これだけ楽しめるところなんです。

だからこそ、何度でも通いたくなるのだと思います。今回も、最高の週末の初日になりました。

今日もブログを読んでくれて、ありがとうございました。後編も早めにアップしますので、またのぞきに来てくださいね。

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