先週末も、サメサン沖で2日間の週末弾丸ダイビングを楽しんできました。今回はその初日のお話です。
正直に言ってしまうと、サメサンは「行くだけ時間とお金の無駄」とまで言われてしまうことのある海です。透明度は悪く、浮遊物は元気いっぱい。透き通った青い海を求めるダイバーを、片っ端から寄せ付けない強力なパワーを持っています。
それでも、そのパワーに魅了されてしまう者が、少しだけいます。サメサン中毒、サメサン・ジャンキー。僕も、すっかりその一人になってしまいました。
なぜ、わざわざ濁った緑の海に通うのか。今回は、写真好きの僕がこの海をどう楽しんでいるのか、その種明かしのような記事にしてみたいなと思っています。
この日のボートは、今年の改修を終えたばかりのThe Shark号。乗るのは改修後はこれが初めてです。ショップはいつものDrink Masterの仲間たち。朝の空は曇り。雨が降りませんように、と祈りながら沖へ向かいました。

嫌われ者の緑を、まず全力で受け止める
まずは、その嫌われ者を真正面から受け止めてみます。緑の水と、舞い続ける浮遊物。これがサメサンの、お世辞にも綺麗とは言えない緑の世界です。

最近のカメラはとても気が利くので、放っておくとこの緑を爽やかな青へと直してくれます。でも、それをやってしまうと、サメサンがサメサンでなくなってしまう。だから僕は、RAWで撮って、現像でわざわざこの濃い緑を呼び戻します。透明度の悪い海が好きな人なんて、たぶんほとんどいません。それでも、この緑こそがサメサンなのです。水中のワイドは、すべてDJI OSMO ACTION 6で撮っています。
緑に全身を浸して受け止めるのがワイドの楽しみなら、センチャーンでの安全停止のひとときさえ、絵になってくれます。

サメサンには、沈船も眠っています。船体もロープも緑の世界に溶け込んで、サメサンらしい、少し物憂げな雰囲気でした。

その沈船に、魚たちがびっしりと群れます。浮遊物と緑の水。普通なら避けたい条件のはずなのに、合わさってみると、ゾンビ映画のような不思議と素敵な一枚を描いてくれました。

マクロで、良いところだけを切り抜く
海を丸ごと受け止めるワイドとは逆に、良いところだけをそっと切り抜くマクロの楽しみもあります。ここからは、Sony α1 IIのマクロの世界へ。
この日はどういうわけか、ヒレを広げ、口を開けて、やる気満々でアピールしてくる子が多かったです。

緑に覆われた海の中でも、ソフトコーラルはこんなに綺麗。サメサンの海が、まるごと汚いわけではないのです。ちゃぶ台にも満たないほどの小さな一画でも、綺麗な珊瑚を見つけたら、何かいないかとじっくり覗き込みます。

緑の水から逃げる、いくつかの工夫
被写体にできるだけ近づくこと。これも、緑の水から逃げるための大切な工夫です。間の水が多いほど緑は濃くなるので、とにかく距離をつめる。そして、ライトやストロボでそっと光を添えてあげる。それだけで、ずいぶん表情が変わります。

船上は、緑とは別世界
ひと潜りを終えて船上に上がると、そこはまるで別世界でした。あの緑が嘘のように、頭上には綺麗な青空が広がっています。

ダイバーを入れた一枚も、この日のいい思い出になりました。

この船上の写真、実はDJI OSMO ACTION 6の静止画なのですが、アクションカムとは思えない写りで、自分でも驚きました。

船の上のお楽しみ、ランチタイム
お昼は、船の上でタイ料理のブッフェ。こういう何気ないシーンでは、スマホのカメラもしっかり役立ってくれます。

よそった僕のお皿はこんな感じ。レンズ一体型のコンパクトなカメラなのに、いかにもライカ、という写りをしてくれます。これはさすがに、スマホでは難しいかなと思っています。

午後の海で出会った、小さな住人たち
午後の海へ戻ります。ロンナン島で出会ったウミウシは、あえてふんわりと撮って、この子の可愛らしさを引き出してみました。

岩穴の暗がりに潜んでいるのは、サメサンのアイドル、Orange Reefgoby。穴の中は浮遊物が少ないことが多いので、撮りやすい場所でもあります。明かりが苦手な根暗さんで、ライトを当てると奥へ引っ込んでしまうのですが、ストロボの一瞬の光には、不思議と嫌がる素振りを見せませんでした。

ヒブサミノウミウシは、ずいぶん狭い隙間にいて、光を届けるのに本当に苦労しました。思い切って白飛びするくらい明るく、絞りも開き気味にして、背景に舞う浮遊物を、そのまま模様にしてみました。

透明なエビの仲間。背景には、まだサメサンの緑がうっすら残っています。どうしても気になるときは、Lightroomの現像で色を整えて、緑を薄めるという手もあります。

このミナミコモンウミウシのように、ぐっと近づいて背景に水を入れなければ、そもそも緑は写り込みません。

同定はこれからですが、こちらもウミウシ。透き通るような赤が、なんとも綺麗でした。

そして、サメサン最大の楽しみへ
すべてのダイビングを終えたら、お待ちかねの宴会タイム。これこそがサメサン最大の楽しみかもしれない、と思うことすらあります。

地元で人気のお店なので、味は折り紙つきです。

濁った緑の海も、抜けるような青空も、船の上でのひとときも、そして仲間と囲むおいしい料理も。サメサンは、海の中だけがすべてではありません。船上も、地上も、全部ひっくるめて素晴らしい。だからこそ、何度でも通いたくなるのだと思います。今回も、最高の週末の初日になりました。

サメサン沖のダイビング。透明度は悪く、流れが激流になることもあります。浮遊物は吹雪のようで、一番印象に残る生き物がガンガゼ、なんてことも。
確かに、劣悪な環境かもしれません。それでも、バンコクから日帰りできる距離で、一泊すればもっと幸せで、こんなにも楽しめる場所なのです。週末で、これだけ楽しめるところなんです。
だからこそ、何度でも通いたくなるのだと思います。今回も、最高の週末の初日になりました。
今日もブログを読んでくれて、ありがとうございました。後編も早めにアップしますので、またのぞきに来てくださいね。

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